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会員の活動紹介

目が悪くなっても一人で歩きたい

 2019年8月17日風さわやかな小淵沢、海抜950mの林間にあるログハウスを訪問して社友会メンバーの芝田眞さんをインタビューしました。

<プロフィール>
 1972年に諏訪精工舎に入社した芝田さんは研究開発本部で水晶振動子の開発、フロッピーディスクの開発と商品化、光ディスク装置の開発を手掛けました。その後、生産技術本部で工業用インクジェット応用の開発を最後に2004年56歳で早期退職しました。退職後は自営業でWebの受託制作をしましたが、目の病気が進行したこともあって5年ほど前に仕事を止めています。ちなみにセイコーエプソン社友会の最初のホームページは芝田さんが手がけました。

<視力低下に対してITを活用する>
 芝田さんは網膜の病気で視力が低下し、最近では浴室でメガネが曇った時のような見え方になっているそうです。このためパソコンのキーボードの文字は見えず、スクリーンの白地に黒文字のテキストもコントラストが低くて見えにくいです。そこで芝田さんは、「PC-Talker」というソフトウェアを導入して音声に変換してメールやWeb閲覧をしています。「PC-Talker」というのは、視力が低下した高齢者や目の不自由な方々のための製品で、画面情報を音声で読み上げてパソコンの操作を支援するソフトウェアです。しかしこのようなアプリを使わなくてもWindowsやMac、Androidなどの OSにも視力が弱い人のための支援機能があります。
 一方このような支援機能を使うためには、その導入や初期設定が必要であり、加えて操作を覚えることも必要となり、これらの作業は視力の弱った方にはハードルが高いのです。芝田さんによると、石川県など地域によってはこのようなソフトウェアの導入支援をしているボランティアグループがありますが、残念ながら長野県エリアにはありません。

 また芝田さんはご自身でスマホを使った音声ナビアプリを作り、周辺の散歩に利用しています。これは、歩行する道を事前に細かく地点登録し、スマホのGPSデータと組みあわせて現在地を割り出し、音声で歩行をガイドするものです。まだ開発途上ですが、これを使って4キロ弱の暗い道を間違えることなく歩けているそうです。実際にデモを見せていただいたところ、音声案内ガイドは目が不自由な方には役に立つとわかりましたが、現状は位置情報に誤差があったりタイムラグがあったりして、完成度を上げるためにやることはまだまだあるなという印象でした。

 芝田さんは、ご自身の病気が決してまれではないことから、社友会のメンバーやそのご家族、周辺にも同じような問題を抱えている方がある程度いるのではないか。目が悪いという理由でやりたいことができずにいるのではないかと心配しています。一方自身の経験から、ITを使いこなすことによって視力が低下してもメールやSNSでコミュニケーションできたり、近所の散歩ができることを知ってほしいと思っています。しかし、ITを活用する上ではその導入にハードルがあるため、目の弱った方に対して自身も含めてIT支援をする活動を社友会のメンバーと一緒にしたいと思っています。今回紹介した音声支援のIT製品やIT支援のボランティアにご興味のある方は、芝田さん(090 4824 8480)にご連絡ください。
(取材HP委員 大和邦夫、松下晴計)

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