MENU

会員の活動紹介

ラジコン飛行機を作り、飛ばし、教えています

麻和博さん

 ドームの中を所狭しと飛び回るラジコン飛行機。
 2024年3月13日、山形村のふれあいドームにて、ラジコン飛行機を作り、それを飛ばし、更には子供たちの為に「飛行機教室」を催されている麻和博(あさわ ひろし)さんにインタビューさせていただきました。

<プロフィール>

 麻和さんは1954年生まれの現在70歳。エプソンには1972年信州精器広丘工場に入社されました。入社当時はミニプリの生産技術を担当、5年後には工機設計で組立合理化装置のメカ設計を担当し、その後カラーコピー機の開発設計、インクジェットプリンターの開発、設計部門、環境部門に籍を置きました。
 2013年、定年を一年後に控えたある日、後輩のラベル印刷機設計リーダーから「ラベル印刷機は新規設計なので課題が多くとても困っている。是非設計に来て欲しい。」と求愛、直ぐに決めかねて一晩考えましたが転籍を決意しました。その一年後定年を向かえた麻和さんでしたが、「課題が多いので再雇用で残って課題解決して欲しい。」との要請で、当時はまだまだ少なかった再雇用を決意し、多くの課題に対応しながら2019年、その設計部門にて再雇用の終了を迎えられました。

<何故、ラジコン飛行機?>

 麻和さんの趣味は3つ、
 1.ラジコン模型、模型工作           ・・・・ 真剣にやっている
 2.楽器演奏(トランペット、パーカッション)  ・・・・ 下手の横好き
 3.大道芸(パントマイム宴会芸、タップダンス) ・・・・ いつの間にか楽しんでいる
 この中で本人曰く、「メカ・エレキ大好き人間」の麻和さんは、小さい時から模型工作が大好きな少年だったそうです。
 小学校5年生の時に見たラジコン飛行機に憧れてラジコン沼にはまり、高校1年で初めてラジコン飛行機を飛ばしました。当時のメーカー品はとても高価で手が出なかったので、新聞配達で稼いだお金でラジコン送受信機とラジコン飛行機を自作したそうです。
 そしてエプソンに入社、その後は本格的にラジコン飛行機に取り組み、毎週末は殆どラジコン飛行機の練習に没頭して行くのでした。

<活動内容>

 このインドア飛行機で長野県内に仲間が広まって行きます。
 ラジコン飛行機界では、2004年頃からリチウムバッテリーが登場し、更にラジコン機材進化による小型軽量化が進みます。この中で麻和さんもインドア飛行機に取り組み始めるようになります。インドア飛行機の「長野県第一号機」は麻和さんによるものだそうです。
 当時はラジコン飛行機で施設を借用したいと申し込むと、施設側から拒否されている状態でしたが、教育委員会等にも何回も足を運び、その結果国内の中でも施設の借用では先駆けとなり、催される飛行会には県外からも参加者が集まるようになって行ったそうです。
 2010年からは、やまびこドームにて「信州インドアフェスタ」の開催を主催。競技会では1人ずつの楽しみですが、 「みんなで一緒に和気藹々と飛ばして楽しむ」をモットーにしているそうです。
 途中コロナによる中断がありましたがこれまで12回開催され、今年第13回目を6月29日(土)、30日(日)に開催予定です。

<活動内容・・・競技への参加>

 インドア飛行機は、飛行機も練習場所も特殊で、まだまだマイナー的な位置付けだそうです。
 全長111cm、その大きな機体ながら、重さ卵1個半程度の僅か72gに作り上げられたラジコン飛行機を使い、麻和さんは我々の前でその見事な飛行テクニックを見せていただきました。

愛機を調整する麻和さん

 インドア飛行機の競技である「F3P」では、日本国内で競技への出場人数は10名程度と、世界トップレベルである欧州等はかなりの差があるそうです。
 そんな中で、麻和さんと一部メンバーが以下のような世界選手権に出場し世界のレベルを国内に展開しています。
 2013年第1回F3Pインドア曲技飛行機世界選手権ドイツ大会日本代表(初参加)
 2015年第2回F3Pインドア曲技飛行機世界選手権ポーランド大会選手兼団長
 2019年第4回F3Pインドア曲技飛行機世界選手権ギリシャ大会参加
 2021年第5回F3Pインドア曲技飛行機世界選手権ルーマニア大会(コロナで中止)
 2025年第6回F3Pインドア曲技飛行機世界選手権スイス開催に向けて練習に取り組む

 世界選手権に参加して感じたことは、海外ではラジコンや模型工作はホビー文化として認知されており、地域で子供達を集めて模型工作教室を行いファミリーで楽しんでいるのに対して、日本国内ではラジコンや模型はオモチャの延長として見られています。そのためラジコンをやっていると言うと「良い道楽だね」と言われる始末で、ラジコンは色眼鏡で見られていて残念であると話されていました。

<活動内容・・・今後は>

 今の子供達はゲームがメインになっている。
 麻和さんは子供達が「ものづくり」に親しんで自分で工夫していろいろ作るようになって欲しいと考えています。その為にも、ホビー文化を認知してもらえるように地域(山形村)で子供達に「飛行機教室」を通じて「ものづくり」を教えています。
 ふれあい児童館(放課後待機施設)では、毎月「飛行機教室」を行っており、紙飛行機・連凧・ドローン体験操縦・工作実験を行っています。
 また、松本市で開催された松本広域ものづくりフェアでも紙飛行機作りとドローン体験操縦を親子50組に実施。「ものづくり」は科学技術への一歩と考え、山形村教育委員会から来年度は山形小学校のクラブ活動に参加して飛行機教室をやって欲しいと要請を頂いているそうです。

<インタビューを通して>

 私たちの前で目を輝かせながらラジコンを飛ばず麻和さんは、小学校5年生の時に松本の旧市営球場で空高く飛ぶラジコン飛行機を初めて見て感動し、それにはまりこんだ少年そのままでした。
 日本のラジコン飛行機界の発展と、併せて「ゲームがメインになっている子供達に、ものづくりの楽しさを伝えたい。」と考える麻和さんの活動の場は、どんどん広がって行きそうです。
 この記事を読んで、興味を持たれた方は6月29日(土)、30日(日)にやまびこドームに足を運ばれてみてはいかがですか。
 信州インドアフェスタ2024の案内はQRコードからリンクします。

                    取材HP委員 飯田益男 井駒敦志

お問い合わせ

社友会事務局への連絡や
お問い合わせはこちら。
退職時に入会なさらない方は
「入会案内再通知」をクリックしてご登録ください。